ルンアルン(暁)プロジェクト経緯と展望

 

ルンアルンプロジェクトは1987年5月、チェンライ県メースワイ郡の山の麓の村ティンドーイにリス生徒寮を設立したことに始まります。当時、リス、アカ、ラフ、カレン、モン、ヤオなど、それぞれの文化と言語を持った山地民の人々はタイ北部の山間地に55万人ほど居住していると言われていました。まだ村に小学校がない地域も多く、中学校へ進学する生徒は親元離れて寄宿生活をしなくてはなりませんでした。

 

リス族の学生の要望を受け、中学生たちを学校へ通わせるための生徒寮の運営が始まりました。小さな茅葺の竹の家にリス族の中学生11人が集まりました。日本人ボランティアとして中野穂積(なかの・ほづみ)が寮母となり、土曜日曜日にはリス族の学生が手伝いに来ました。自給自足を目指して田畑を耕しながら、希望者には日本語も教えながらの共同生活が始まりました。

 

その後多くの人々の支援を受けるようになり、耐久性のある煉瓦(レンガ)の生徒寮を新築、1993年には運営を安定させるため現地法人の「高地民教育と開発財団」の傘下となりました。1994年に進学を支援するためのルワンアルン奨学金を発足、翌1995年には第2寮、暁の家(当時は暁寮)をチェンライ県ウィアンパパオ郡に開設しました。

 生徒寮は第12期生を送り出した2000年にその活動を終え、暁の家も2015年3月に最後の18期生を送り出し、生徒寮としての活動を終了しました。

 

プロジェクト設立から間もなく30年、タイは経済成長し、その社会、生活も大きく変化を遂げました。学校も中学まで義務教育となり、教科書、授業料などは高校まで無償、毎年制服代などの支援が政府から届くようになりました。周辺に生徒寮も増えました。

 

プロジェクトでは、働きながらでないと就学できない困窮家庭の青少年を受け入れることにし、2015年より、暁の家は職業訓練センターとして新たな運営をスタートすることにしました。

 

プロジェクト発足当時55万人と言われた山地民の人々は、現在では100万人を超えていると言われています。そのうち2割から3割の人々はまだタイ国籍を取得していません。重労働に見合わない収入に見切りを付け出稼ぎに行く人、賃仕事の得やすい都市郊外へ移住する家族も増えました。

 

山地民の人々が山間地で独自の文化を守り、環境と共生しながら人としてより豊かな生活が出来るよう、プロジェクトは教育面、農業環境面での支援を続けていきます。日本の支援者や見学者、研修生の皆さんとも協働しながら互いに学び合い、共生していく社会を目指します。

 

2016年7月10日 中野穂積

 

 

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